2006年10月12日

くるり・岸田繁と川上弘美

買ったのはしばらく前だったんですが、今チョコチョコと読んでいる雑誌があります。幻冬舎パピルス、第8号です。

表紙がくるり岸田繁で"【巻頭特集】ソングライターは現代の詩人である"と銘打っていたので、気になったのです。それに加えて、さらにその下には"【作家特集】川上弘美 空気の秘密"とあったものですから、尚更手を出さざるを得ませんでした。どちらも自分のアンテナに引っかかる二人。

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まず、岸田繁。くるりというバンド形態を取りながらも、常に孤軍奮闘しているイメージのある彼。4作目・"The World is Mine"までの常に変化・上昇していく感じから、5作目"アンテナ"以降は迷い・模索の中を進んでいる感じに変わったと受け取る人も多いんじゃないかと思います。まぁ"アンテナ"はドラマー脱退の余波で、外的要因もあったとは思います。"詩人"岸田繁にフォーカスした特集ですから、歌詞についての言及も多いんですが、アンテナ後の"迷い"の部分についても話しています。

っていうのも、ちょっとその時期、今やってることっていうのに自身がなくなってきたりとかして。それまではね、目の前にずっとキラキラしたもんがあった状態で生きてきたと思っていたから。そういうのがなんとなく、もやがかかってて今は見えへんな、年とったのかなあってことをちょっと思い出した時期でした。

これは、彼自身が書いた歌詞で最高傑作だと言うSg."Birthday"の生まれる前の時期について語った件です。このあたりで、決定的に何かが変わったんだろうな、と思います。それが外から見て、少し抵抗感を生んでしまったのかも知れません。音作りの面でも、アルバム"Nikki"では変わったようです。

僕、もともとメロディから曲を作ることってあんましないんですよ。でも、この間の『NIKKI』ってアルバムはメロディからが多かったんです。そうすると、メロディが、いい意味でも悪い意味でも立つんですよね。だから、そこに当てはめる言葉が、洋楽的な曲であればあるほどすごい難しくて。逆に邦楽的な曲なると、それはそれで気をつけないとすぐにJ-Pop化してしまうから、それも難しい。

J-Popという仮想敵を作りつつモノづくりを進める彼のことを、「ややこしいやっちゃな」と思うか「だからこそこだわりがある」と見るかは、その人次第だとは思います。けれどもロックは、常に何か外敵に対して反骨精神を燃やしながら、批判性・客観性を持って作られたものでないと優れたものには成らない、と自分なんかは思うわけなので、その"ややこしさ"こそが"くるり"を"くるり"たらしめているところだと感じます。

こうやってなんだかんだ書いている自分でさえ、"Nikki"は少し受け入れ難い印象の方が最初は強かったので、買っていませんでした。でも今年に入って、"Birthday"や"Superstar"なんかのSg.曲を口ずさんでいる自分に気付いて、「そろそろ聴く時期なのかな」ということがあって買うに至りました。そこで初めて音質へのこだわりや、メロディーの浸透性の高さに気付いたんです。今は過去のアルバム同様、好きになりました。

新曲"五月の海"も、11月22日発売のコンピ"みやこ音楽"に収録されます。夏フェスもいいですが、くるりも秋に似合うバンドの一つだと思いますので、聴いてみたい気がします(曲は"春"頃の様ですけど)。

<追記>
いつものようにbounceGo Go Noise McCartney・・・でも発表がありました。

ちょっと長くなってしまったので、川上弘美さんについては一部抜粋。

小説に限らず、人生も「笑いのめす」のが理想ですね。実際は難しいと思いますけど・・・・・・。どんなに深刻で暗い物事でも、必ず愉快な面ってあるはずなんです。何かの文章で「ナチスの強制収容所にいた人たちも"笑い"を持っていた」という話を読んだことがあって、むろんそれは軽やかな笑いではありえないでしょうけど、すごいなあ人間は、と思ったんです。それほど、人間は強いものなのだ、と。

その容姿も美しい方ですけど、人間・川上弘美の生き方と姿勢の美しさも出た一言。何か無理やりかもですけど、Dave Grohlにも通じる気がします。

隔月刊誌のパピルスですから、まだ書店やアマゾンにはあると思います。どこかで目にしたら、一度インタビュー内容の全体像を確かめてみてください。
posted by haro at 01:42| Comment(0) | TrackBack(1) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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